Googleマップの口コミには、きちんと返信したい。そう思っていても、営業中は手が離せず、星1の厳しい口コミにはどう答えるか迷い、つい後回しにしてしまう。飲食店や美容室、工務店などでよく聞かれる悩みです。AIを使って返信の下書きを作ると、こうした手間をかなり減らせます。
ただし、口コミには景品表示法のステルスマーケティング規制と、Googleのクチコミのポリシーが関わります。この記事では、「返信」と「口コミ集め」を分けながら、Googleの口コミへの返信の仕方と例文、AIで下書きするときの注意を説明します。
この記事で扱う法令・ポリシーの内容は、2026年10月15日に消費者庁とGoogleの公式ページで確認しました。個別の事案についての判断は、専門家や所管の窓口にご相談ください。
Googleの口コミ返信の仕方:基本の流れ
口コミへの返信を読むのは、投稿した本人だけではありません。これからお店を探す人にも読まれます。次の流れに沿って書けば、短い文章でもまとまります。
- 口コミを書いてくれたことにお礼を伝える
- 口コミの内容に具体的に触れる(料理の名前、施術、工事の箇所など)
- 低い評価には、不快な思いをさせたことへのお詫びと、事実を確認する旨を書く
- 改善すること、または直接話を聞くための連絡先を伝える
- 結びのあいさつを添える
文面がいつも同じだと、口コミを読んでいないように見えてしまいます。少なくとも2の「具体的に触れる」部分は、それぞれの口コミに合わせて書き分けましょう。
口コミ返信の例文:良い口コミ・悪い口コミ
業種別の例文を紹介します。〔 〕の部分は、実際に寄せられた口コミとお店の事情に合わせて書き換えてください。
星5(飲食店)
「このたびはご来店いただき、口コミもお寄せくださりありがとうございます。〔日替わりの煮魚〕を気に入っていただけたと伺い、厨房のスタッフも喜んでいます。献立は季節ごとに変えておりますので、ぜひまたお立ち寄りください。」
星3(美容室)
「ご来店いただき、率直なご感想をお寄せくださりありがとうございます。仕上がりを気に入っていただけた一方、〔お待たせした時間〕についてはご不便をおかけしました。お待たせしないよう、予約の間隔を見直してまいります。」
星1(飲食店・料理の提供が遅れた)
「このたびは料理のご提供が遅れ、ご不快な思いをおかけしましたことをお詫び申し上げます。当日の状況を確認したうえで、〔ご注文の受け方〕を見直しております。よろしければ〔電話番号〕までご連絡ください。詳しくお話を伺います。」
星1(工務店・連絡が遅れた)
「ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。社内で、ご連絡が遅れた経緯を確認しております。あらためて担当者よりご連絡いたします。今後は〔ご連絡の期限〕を定めて対応してまいります。」
星1の例文には、遅れた理由を記載していません。事情を確かめずに理由を書くと、事実と異なる説明になる場合があるためです。理由の説明やお詫びの範囲は、店長や責任者が確認してから決めましょう。
口コミの「返信」をAIで下書きする
口コミへの返信には、お店や会社の名前が表示されます。第三者を装うものではなく、今回確認した消費者庁の資料やGoogleのポリシーにも、AIで返信を下書きすること自体を禁じる規定は見当たりませんでした。ただし、利用する際は次の点に注意が必要です。
- 事実を作らない:AIは、口コミにはない事情(「当日は混雑しており」など)を補って書く場合がある。事実と異なる説明をすると、かえって信頼を損なう
- 個人情報を書かない:来店日、施術や工事の内容、お客様の名前など、本人を特定できる情報は返信に含めない
- 大げさな表現にしない:事実と異なる効果や実績を、返信の中でうたわない
- 星1・星2は人が書き直す:どこまで謝罪するか、返金や再対応を約束するかは、お店として判断する。AIの下書きは出発点にとどめる
当社の口コミ返信のデモでは、星5・星3・星1の口コミをもとに、AIが返信の下書きと送る前に人が確かめる点を出します。星1の口コミなら、事実の確認や、どこまで謝罪するかを確認項目として示します。できた下書きをそのまま投稿するのではなく、担当者が修正してから送ります。

口コミを「集める」ときに禁止されていること
返信以上に注意したいのが、口コミの集め方です。広告であることを隠した表示(ステルスマーケティング)は、2023年10月1日から景品表示法の規制対象になっています。Googleマップの口コミに関して、消費者庁は次の2件で措置命令を出しています。
- 2024年6月6日:内科クリニックが、Googleマップへの星5の投稿を条件として、インフルエンザワクチンの接種費用を割り引いていた
- 2025年3月17日:歯科医院が、星5の投稿を条件として、QUOカードを提供するか、治療費を割り引いていた
いずれも、評価を「星5」にするという条件を付けたため、お客様の口コミが「事業者の表示」とみなされました。
景品表示法とGoogleのポリシーの違い
消費者庁のQ&Aによると、口コミの投稿を条件に割引やクーポンを提供するだけで、その内容を指示しない場合は、通常、事業者の表示には当たらないとされています。一方で、Googleのポリシーは、割引と引き換えに口コミを依頼すること自体を禁止しています。お店のアカウントや口コミに影響するおそれがあるため、Googleのポリシーに合わせて運用するのが安全です。
| やってしまいがちなこと | 景品表示法(消費者庁のQ&A) | Googleのポリシー |
|---|---|---|
| 「星5で割引」と案内する | 事業者の表示に当たり、広告であることを明示しなければ違反 | 禁止 |
| 「口コミを書いたら次回割引」と案内する(評価・内容の指定なし) | 通常は事業者の表示に当たらない | 禁止(インセンティブの提供) |
| 満足したお客様に限って口コミを依頼する | — | 禁止(肯定的な口コミを選んで募る行為) |
| その場での投稿を求める | — | 禁止(その場での要求・強要) |
| 従業員や家族に投稿させる | 事業者の表示に当たる可能性がある | 禁止(利益相反) |
| 事実と異なる口コミの修正を依頼する | 事実に反する内容の修正を求めるだけなら、事業者の表示に当たらない | — |
Googleのポリシーで認められるのは、実際に利用したお客様に、特典を提供せず、評価や内容にも影響を与えずに口コミをお願いすることです。
まとめ:返信は下書きをAIに、送るのは人
- 返信は、お礼・内容への言及・お詫びと事実の確認・改善や連絡先・結びの順でまとめる
- 口コミ返信の下書きには、事実を作らず、個人情報を書かないことを守ればAIを使える
- 星1・星2への返信や、謝罪・返金の約束については、人が判断したうえで書き直す
- 口コミを集める際は、特典・評価の指定・選んだお客様だけへの依頼・その場での要求を避ける
- 景品表示法では問題にならない場合でも、Googleのポリシーで禁止されていることがある
社員がAIで文章を作るときの決まりごとは、「生成AIの社内利用ガイドラインの作り方」にまとめています。サイトに来るお客様の質問にAIが答える仕組みは、「AIチャットボットの導入費用と選び方」をご覧ください。
飲食店・美容室・工務店の口コミをもとにした返信の下書きは、口コミ返信のデモで試せます。お客様に代わって口コミを書くことはしません。返信の仕組みづくりや運用については、無料相談(30分)でお聞きします。
参考(2026年10月15日確認):消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」/消費者庁 報道発表(2024年6月7日)/消費者庁 報道発表(2025年3月18日)/Google「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」
