デジタル化・AI導入補助金2026とは:使える場合・使えない場合と、補助金を使わずに小さく始める方法

「IT導入補助金の名前が変わったらしい。AIのツールにも使えるのか」。最近は、このような質問をいただく機会が増えています。旧IT導入補助金は、2026年度からデジタル化・AI導入補助金に名称が変わりました。

この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026について、申請枠や補助額、申請の手順、次の締切をまとめます。利用できないケースに加え、補助金に頼らず小さく始める方法も紹介します。

記事の内容は、2026年10月21日に公式サイトの公募要領(2026年10月9日版)で確認しています。補助金の内容は、公募の回によって変わります。申請前には必ず公式サイトを確認し、最新の内容を確かめてください。

デジタル化・AI導入補助金2026とは

業務の効率化やDXを目的に、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際、その費用の一部を国が補助する制度です。法人に加えて、個人事業主も対象になります。

補助対象のITツールには、AIを活用したソフトウェアも含まれています。公式サイトのITツール検索では、AI機能を備えたツールに「AI機能あり」と表示されます。ただし、AI機能が付いていても、補助率や上限が上がるわけではありません。

押さえておきたいのは、対象になるのは事務局に登録されたITツールだけということです。申請は、ツールを提供する「IT導入支援事業者」と共同で進めます。

申請枠と補助額・補助率

申請枠 補助額 補助率 主な対象
通常枠 5万円〜450万円(業務プロセスの数によって上限が変わる) 1/2以内(条件により2/3以内) ソフトウェア、クラウドの利用料(最大2年分)、導入時の支援
インボイス枠(インボイス対応類型) ITツールは最大350万円 3/4以内(小規模事業者は4/5以内)。50万円を超える部分は2/3以内 会計・受発注・決済のソフト、PC・タブレット、レジ
インボイス枠(電子取引類型) 最大350万円 2/3以内(中小企業・小規模事業者) 取引先も利用する受発注のクラウド
セキュリティ対策推進枠 5万円〜150万円 1/2以内(小規模事業者は2/3以内) 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用料

パソコンなどのハードウェアは、通常枠では対象になりません。ハードウェアを対象にできるのは、インボイス対応類型のみです。このほか、10者以上で申請する「複数者連携デジタル化・AI導入枠」も用意されています。

申請の流れと、先にやっておく準備

申請に先立ち、次の2つを済ませておきましょう。

  • gBizIDプライムの取得:取得にはおおむね2週間かかります
  • SECURITY ACTIONの宣言(一つ星または二つ星):おおむね2〜3日かかります

申請から補助金の受け取りまでは、次の順に進みます。

  1. IT導入支援事業者とITツールを選ぶ(この段階では契約しない)
  2. 支援事業者の招待を受けて、申請マイページを開く
  3. 支援事業者が事業計画やツールの情報を入力し、申請者が確認して提出する
  4. 交付決定後に、契約・導入・支払いを行う
  5. 実績報告を行い、補助金を受け取る
  6. 導入後3年間にわたり、効果報告を行う

次の締切と交付決定日

通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は、次の日程です。

締切回 締切 交付決定日(予定)
6次 2026年10月30日(金)17:00 2026年12月10日(木)
7次 2026年12月1日(火)17:00 2027年1月19日(火)

10月21日の時点で、8次以降の日程は公表されていません。締切を1分でも過ぎると受け付けてもらえないため、準備にかかる期間を見込んで進めましょう。

第7次から変わる、賃上げの要件

第7次の締切分からは、従業員1人当たりの給与支給総額を増やす要件の適用範囲が広がります。たとえば、通常枠で150万円以上を申請するなら、給与支給総額を年平均3%以上増やす計画が必要になります。さらに、1年後の目標も加わりました。申請額が150万円未満でも、過去にIT導入補助金の交付決定を受けた会社には、この要件が必須となります。

計画を達成できなかった場合、3年目の終わりに補助金の返還を求められることがあります。自社の給与の見通しに照らして達成できるか、申請前に確認してください。

デジタル化・AI導入補助金が使えない場合

  • 交付決定前に契約・発注したもの:補助対象にはなりません
  • 業務に合わせて一から作る仕組み:スクラッチ開発や、業務に影響する大幅なカスタマイズが必要なものは、ITツールとして登録できません
  • 特定の会社向けに作られたもの:一般に販売されていないものは対象になりません
  • リース・レンタル、中古品、申請の代行費も対象には含まれません

既製のツールを導入する際には使いやすい制度ですが、自社の業務に合わせて仕組みを作る場合には、利用できないことが多くなります。

補助金を使わずに、小さく始める方法

補助金を検討したい場合 補助金を使わないほうがよい場合
登録済みの既製ツールで、業務の大半をまかなえる 既製ツールが業務に合わない
交付決定まで1〜2か月待つことができる すぐに着手して、効果を確かめたい
3年間の効果報告や、賃上げの計画に対応できる 申請や報告に手間をかけられない

当社は現在、IT導入支援事業者には登録していません(登録を準備中です)。当社が業務に合わせて作る仕組みは、この補助金の対象外です。一方、1業務あたり55,000円(税込・最小構成)から始められます。まずは1つの業務で効果を測り、その後に広げていけば、補助金がなくても大きな投資にはなりません。

補助金を使って既製のツールを導入し、足りない部分だけを別に作る方法もあります。ただし、同じ経費について二重に補助を受けることはできません。

まとめ:まず「登録ツールで足りるか」を確かめる

  • デジタル化・AI導入補助金2026は、旧IT導入補助金。個人事業主も対象になる
  • 対象になるのは事務局に登録されたITツールだけ。支援事業者と共同で申請する
  • 次の締切は6次が10月30日、7次が12月1日。gBizIDプライムは早めに取得する
  • 第7次から賃上げの要件が広がり、未達の場合は返還を求められることがある
  • 業務に合わせた仕組みは対象外。小さく始め、効果を測る方法もある

埼玉県の補助金と川越周辺の相談窓口については、AI導入に使える補助金・使えない補助金(2026年度・埼玉県)で紹介しています。費用の考え方については、AI業務自動化の費用はいくら?をご覧ください。補助金を利用するか、どの業務から着手するかは、無料相談(30分)で一緒に整理します。

参考(2026年10月21日確認):デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト/事業スケジュール/公募要領(通常枠)/第7次公募回以降の制度変更/申請を行う前に必要な手続き/中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」

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